確定拠出年金のお得な受給方法とは?3つの方法から賢く選ぼう!

確定拠出年金は、受給開始年齢(原則60歳)から「老齢給付金」として受け取ることができます。「老齢給付金」を受け取るには、受給開始年齢(原則60歳)から70歳迄の間に、請求手続きをする必要があります。年金で一番大切なのは「受け取る時」です!受け取り方によって、余分な税金を支払うことになっては、せっかくの確定拠出年金の節税メリットを活かせませんよね?!

確定拠出年金の受給方法には、「一時金」「年金」「一時金と年金の併用」の3つの方法があります。では、一体どの方法が一番お得になるのでしょうか??ここでは、それぞれの受給方法と税金についての説明と、どのようなケースでどの受給方法がお得になるのかを解説します!自分にとって最適な受給方法を早めに考えておけば、老後も安心ですよね!

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「一時金」

一時金は「退職所得控除」が適用される

一時金は、受給開始年齢(原則60歳)~70歳迄に、年金資産を一括で受け取れます。
一時金は「退職所得」として扱われ、「退職所得控除」が適用されます。※下記の表1を参照 

〈表1〉退職所得控除額(国税庁HPより)
下記は、勤続年数(加入年数)に応じた控除額です。退職金と一時金を同時に受け取る場合は、勤続年数と加入年数のどちらか期間が長い方で計算されます。その際の退職所得金額は、退職金と一時金の合計金額になります。

上記の表を見てわかるように、退職所得控除額は、勤続年数(加入年数)が長いほど控除額が増えることになります。例えば、

  • 勤続年数(加入年数)が20年の場合、
    「40万円×20年=800万円」
  • 勤続年数(加入年数)が30年の場合、
    「800万円+70万円 ×(30年-20年)=1,500万円」

勤続年数が20年では800万円迄、30年では1,500万円迄が課税されないことになりますね。

退職所得が控除額を超えてしまう場合

退職所得が控除額を超えてしまう場合、課税対象となる退職所得金額は「(退職所得ー退職所得控除額)×1/2」で計算されます。※所得税の計算方法は下記の表2を参照

〈表2〉所得税の税額表(国税庁HPより)
下記の表から、所得税が計算できます。

上記の計算式を元に、勤続年数(加入年数)30年の人で退職所得が2,000万円の場合、どのくらいの税金がかかるかを計算してみましょう。

  • 課税退職所得金額 =(2000万-1500万)×1/2=250万円
  • 所得税=250万×10%-97,500円=152,500円 
  • 住民税=250万×10%=250,000円
  • 復興特別所得税=152,500(所得税額)×2.1%=3,202円
  • 合計税額=405,702円 

所得税以外にも、住民税と復興特別所得税がかかってきますので、「2,000万円の退職所得に対して、405,702円の税金がかかる」ことになります。

「年金」

年金の受け取り方

年金は、受給開始年齢(原則60歳)以降に、

  • 受け取り開始時期(60歳~70歳)
  • 受け取る期間(5年~20年)
  • 1年の受取り回数

を選んで、受け取れます。(金融機関によって受け取り方に制限があります。) 

年金は「公的年金等控除」が適用される

年金は「公的年金等控除」が適用され、課税される金額は「雑所得」として扱われます。※雑所得の計算方法は下記の表3を参照

〈表3〉公的年金等に係る雑所得の速算表(国税庁HPより)
下記の表から、課税される雑所得の金額がわかります。

上記の表からわかるように、公的年金等の金額が、65歳未満で70万円以下、65歳以上で120万円以下であれば、課税されないことになります。

年金で受け取る際のメリットとデメリット

年金で受け取る際には、以下のように、いくつかのメリットとデメリットがあります。

【メリット】

  1. 年金受給期間中に、投資信託の運用で利益が出ると、予定よりも受取金額が増える。
  2. 確定拠出年金では投資信託の運用益が非課税となる為、他の資産運用よりも効率の良い運用ができ、資産を増やせる可能性が高い。

【デメリット】

  1. 公的年金等収入には、確定拠出年金以外にも、国民年金、厚生年金、企業年金等で受け取る金額も合算される為、控除額を超える可能性が高い。
  2. 年金を受給する際には、給付事務手数料として一回の振込につき432円(税込)がかかる。
  3. 年金を受給している期間は、引き続き、口座管理手数料がかかる。
  4. 年金を受給している期間に、投資信託の運用で損失が出てしまうと、予定よりも受取金額が減ってしまう。

年金で受け取る際は、国民年金や厚生年金等の金額が多い人は、控除額を大きく超える可能性がありますので、注意が必要ですね。又、年金で受け取る期間中は、引き続き資産を運用できる為、資産を増やすこともできますが、減ってしまう可能性もあります。更に、手数料が発生しますので、その辺りのデメリットをきっちり理解した上で、自分にとってお得な方法になるかどうかを考える必要がありそうですね。

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「一時金と年金を併用」

併用の場合は、受給開始年齢(原則60歳)以降、年金資産の一部を一時金で受け取り、残りを年金で受け取れます。(併用ができない金融機関もあります) 一時金と年金と、それぞれどのくらいの金額をどの時期に受け取るのがお得かをよく考える必要があります。

例えば、先程の例(加入年数30年の人で2,000万円の一時金を受け取る場合)で、60歳~65歳の間に70万円の年金を受け取り、残りを一時金として受け取った場合に、支払う税金額がどうなるかを計算してみましょう!

  • 年金にかかる税金 ⇒ 0円(70万以下の為)※注
  • 課税退職所得金額 =(2000万 – (70万×5年)- 1500万)×1/2=75万円 
  • 所得税=75万×5%=37,500円
  • 住民税=75万×10%=75,000円
  • 復興特別所得税=37,500(所得税額)×2.1%=787円
  • 合計税額=113,287円
    ※注:公的年金の受給時期が65歳~で、確定拠出年金以外の年金が無いとした場合

結果は、合計で「113,287円」の税金がかかりますが、全額を一時金として受けった場合の税金額が「405,702円」でしたので、「405,702円 – 113,287 = 292,415円」が節税できることになります。今後は公的年金の受給時期が65歳~になりますので、60歳~65歳の間に、確定拠出年金で70万以内の年金を受け取ると、無税になりますのでお得ですね!

その他にも、一時金の受け取る時期を退職金を受け取る時期とずらすことで、退職所得にかかる税金を減らすことができる場合があります。(例:60歳で退職金、60~65歳迄年金、残りを一時金として65歳で受け取る等)

まとめ

確定拠出年金の受給方法は、「一時金」「年金」「一時金と年金の併用」の3つの方法があり、それぞれの受給方法で、お得なケースと不利なケースがあります。※下記の表4を参照

〈表4〉
以下のように、それぞれの受給方法で、「お得なケース」と「不利なケース」が異なります。

  お得なケース 不利なケース
一時金 退職金が無い、又は少なく、退職所得が控除額の範囲内に収まる場合 退職金が多く、退職所得が控除額を大きく超える場合
年金

公的年金が少なく、控除額の範囲内に収まる場合

運用で利益が出て、予定よりも受取金額が増える場合

厚生年金や企業年金が多く、控除額を大きく超える場合

※課税対象金額が多くなると、健康保険料や介護保険料等の金額も高くなってしまう。

併用

一部を年金で受け取り、残りを一時金で受け取ることで、税金額を減らせる場合

 特になし

上記のように、3つの受給方法にはそれぞれにお得なケースと不利なケースがありますが、基本的な受給方法の選び方を下記にまとめてみました。(全てのケースで最適になる訳ではありません)

  • ①退職所得を超えない範囲でできるだけ一時金で受け取る
  • ②上記①で余りがある場合は、60歳~65歳までの間で、70万円以下の年金で受け取る
  • ③上記②でまだ余りがある場合は、一時金の額を増やす

確定拠出年金のお得な受給方法は、その時の経済情勢や自分の資産状況によって変わってきますが、自分にとって最適な受給方法を早めに考えておくことで、良い選択ができると思います!尚、受給手続きを忘れた場合は、70歳になった時点で、自動的に一時金として現金化されてしまいますので、ご注意下さい!

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