失業中に国民年金の支払いが免除される条件とは?免除の4つのメリットを知っておこう!

退職後、直ぐに仕事が見つからず失業状態が続いた場合、国民年金の保険料を支払うのが厳しくなりますよね? そんな時に是非知っておきたいのが、「保険料の免除と納付猶予」についてです。失業者だけでなく、所得が少ない人も含めて、一定の条件を満たせば、保険料が免除または納付が猶予(先延ばし)されます。

免除や納付猶予を受けると、その間は年金加入期間として算入されますし、免除の場合は、将来受け取る年金額も半分は国が負担してくれる等のメリットがあります!そんな制度があることを知らずに、保険料を未納のままにしておくと、非常に損をしてしまう可能性があります(*_*)

そこで、今回は、「国民年金の保険料免除と納付猶予の条件、4つのメリット、申請手続き、未納の場合の対処法」についてご紹介します!

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免除と納付猶予の違い

まず始めに、国民年金保険料の「免除」と「納付猶予」の違いについて説明します。

「免除」と「納付猶予」の夫々の意味は、

  • 「免除」・・・保険料の支払いが免除される
  • 「納付猶予」・・・保険料の支払いを先延ばしにできるが、後で支払う必要がある

となります。

納付猶予は、支払いを先延ばしにするだけで、後で支払う必要がある為、条件も免除とは異なります。

では次に、免除と納付猶予の条件の違いを見ていきましょう。

免除と納付猶予の条件

免除と納付猶予の条件の違い

国民年金保険料の「免除と納付猶予の条件」は、以下のようになっています。

  免除 納付猶予
年齢 制限なし 20~50歳

所得額

前年所得が一定額以下の場合
(1~6月申請の場合は前々年所得)

所得の
審査対象

所得が低い人
「本人+配偶者+世帯主

所得が低い人
「本人+配偶者」

失業中の人 
「配偶者+世帯主」
※本人は対象に含まれない

免除と納付猶予の条件は、「年齢と所得の審査対象」に違いがあります。わかりやすいように、夫々の違いを説明していきます。

年齢制限

免除と納付猶予の条件の大きな違いは、納付猶予には年齢制限があることです。納付猶予は、「納付を先延ばしにした保険料を、後から納付する必要がある」為、50歳迄という条件つきになっています。

所得の審査対象

所得の審査対象は、結婚されている方や、ご両親と同居で親が世帯主の場合は、配偶者や世帯主の前年所得も対象に含まれます。尚、所得が低い人と失業中の人とでは、所得の審査対象が異なります。

所得が低い人

所得が低い人の、所得の審査対象は以下のようになります。

  • 免除 ⇒「本人+配偶者+世帯主」の前年所得が対象
  • 納付猶予 ⇒「本人+配偶者」の前年所得が対象 
    ※「世帯主」の前年所得は対象に含まれない。

納付猶予の方が、世帯主の前年所得が対象に含まれない分、免除よりも所得額の条件が緩いことがわかります。例えば、所得が低い独身者の場合は、免除が承認されなくても、納付猶予だと承認される可能性が高くなるということになります。

失業中の人

失業中の人は、「失業による特例免除」が与えられる為、本人の前年所得は対象に含まれません。例えば、単身者が失業中の場合は、審査対象となる所得が無い為、免除・納付猶予ともに承認される可能性が非常に高くなります。

続いて、前年所得の基準について説明します。

前年所得の基準

前年の所得額に応じて、保険料の免除される割合が、以下のように4段階(全額、3/4、半額、1/4)に分かれています。また、納付猶予に関しては、全額免除の場合と同じ所得基準となります。(下記図を参照:引用元「日本年金機構HP」)

上記の計算式を元に、「失業中の場合に全額免除となる所得額」を計算してみると、

  • 単身の場合 ⇒ 前年所得は対象から外れる為、承認される可能性が高い
  • 配偶者または世帯主がいる場合 ⇒ 配偶者または世帯主の前年所得が92万円以下
  • 配偶者と子供2人の4人世帯の場合 ⇒ 配偶者の前年所得が162万以下

となります。

配偶者や世帯主がいる場合は、承認されるのは難しくなりそうですが。。。単身者の場合は、失業中は前年所得は関係なくなりますので、是非利用したいですね。

では、次に、免除・納付猶予のメリットについて説明します。

免除・納付猶予のメリット

国民年金保険料の免除・納付猶予には、経済的負担の軽減以外にも、以下の4つのメリットがあります。

  • 免除・納付猶予を受けた期間は、年金加入期間として算入される
  • 全額免除の場合、将来の年金額は、全額納付した場合の半分が支給される
  • 免除・納付猶予を受けた期間の保険料は、10年分を上限に追納することが可能
  • ケガや病気による障害や死亡といった不慮の事態が発生した場合、障害年金や遺族年金を受け取ることができる。(一定の受給要件があります)

上記の4つのメリットを考えると、条件を満たす場合は、是非とも利用したいですよね。

続いて、夫々のメリットについて詳しく見ていきます。

年金の加入期間

将来「老齢年金」を受給する為には、国民年金や厚生年金の加入期間が10年以上必要になります。保険料を未納のままにしておくと、将来年金を受給できない可能性がありますが、免除や納付猶予を受けることで、そのような事態を避けることができます。

将来の年金額

保険料の免除や納付猶予を受けることによって、将来の年金額がどのくらい影響を受けるのか気になるところだと思います。

具体的には、以下のように、免除の割合に応じて、支給される年金額の割合が決められています。(データ引用元:日本年金機構HP

  • 全額免除  年金額1/2 (平成21年3月分までは1/3)
  • 3/4免除 年金額5/8 (平成21年3月分までは1/2)
  • 1/2免除 年金額6/8 (平成21年3月分までは2/3)
  • 1/4免除 年金額7/8 (平成21年3月分までは5/6)
  • 納付猶予の場合、年金額には反映されない

免除の場合は、保険料を全額納付した場合の半分以上の年金が貰えることになりますが、納付猶予の場合は年金額には反映されません。

では、例として、保険料が40年全額免除となった場合に、将来受け取る年金額がどのくらいになるのかを見てみると、(データ引用元:日本年金機構HP

  • 40年納付した場合
    779,300円
  • 40年全額免除となった場合(国庫負担2分の1で算出した場合)
    389,700円

保険料を40年全額納付した場合の年金が「779,300円」ですので、その約半分の年金「389,700円」が支給されることになります。

半分の年金が支給されること自体は、大変有り難いことではありますが、将来の年金額は下がってしまいますので、再就職して経済的に安定してきたら、次に説明する追納制度を是非利用していただきたいと思います。

追納制度

先程説明したように、免除や納付猶予を受けた場合は、保険料を全額納付した場合と比べて、将来の年金額が下がってしまいます。それを防ぐ為に、保険料を追納(後から遡って支払う)できるようになっています。

追納の申請は、過去10年分まで可能で、「国民年金追納申込書」を年金事務所へ提出する必要があります。国民年金保険料の控除申請をすれば、所得税・住民税が軽減されますので、是非追納することをお薦めします。

但し、免除や納付猶予を受けた期間の翌年度から起算して3年度目以降は、当時の保険料に一定の金額が加算されてしまいますので、早めに追納するようにして下さい。

障害年金と遺族年金

年金は、老後に受け取る「老齢年金」だけではなく、

  • 病気やケガによって障害状態になった際に支給される「障害年金
  • 18歳以下の子供がいる親が死亡した際に支給される「遺族年金

があります。

具体的にどのくらい支給されるかと言うと、(データ引用元:日本年金機構HP

  • 障害年金 ⇒ 障害1級で、年間 97万4125円(平成29年度)
  • 遺族年金 ⇒ 子供が一人いる配偶者の場合、年間 100万3600円(平成29年度)

となります。

※但し、障害年金と遺族年金を受給するためには、一定の受給要件があります。

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免除・納付猶予の申請

申請方法と必要書類

国民年金保険料の免除・納付猶予の申請は、以下の書類を、お住いの市区町村役場、または年金事務所(郵送も可)へ提出する必要があります。

  • 国民年金保険料 免除・納付猶予申請書

上記の申請書は、役場、年金事務所、「日本年金機構HP」より入手が可能です。

尚、申請書には以下の添付書類が必要になります。※引用元「日本年金機構HP

上記以外にも場合によって必要な書類がありますので、詳細は、最寄りの年金事務所へ問い合わせて下さい。※「最寄りの年金事務所

申請期間

国民年金保険料の免除・納付猶予の申請期間は、毎年7月~翌年6月迄のサイクルになっていて、長期に渡って申請する場合は、毎年7月~1年毎に申請する必要があります。 

少し分かりづらいので、具体例をあげてみると、

  • 7月に申請する場合 ⇒ 7月分~翌年6月分まで申請が可能
  • 1月に申請する場合 ⇒ 1月分~6月分まで申請が可能

となり、1月に申請する場合は、7月分~は新たに7月になってから申請し直す必要があります^^; 

また、過去の未納分の保険料についても、納付期限から2年以内であれば、免除・納付猶予の申請が可能になりました(平成26年4月から)。 

以下の表で、具体的な申請期限を確認することができます。※引用元「日本年金機構HP」 

免除・納付猶予の申請期限は、保険料の納付期限から2年以内になりますが、期限日が休日の場合は前倒しで平日になりますので、注意して下さい。

尚、不慮の事故や病気が発生してから免除・納付猶予の申請を行っても、障害年金の受給資格要件には算入されません。

未納の場合はどうなるの?

国民年金保険料の免除・納付猶予のメリットについては説明しましたが、逆に、保険料を未納のままにしておくと、どのようなデメリットがあるのでしょうか? 具体的に見てみましょう。

老齢年金を受給できない可能性がある

「年金の加入期間」の箇所でも説明しましたが、将来「老齢年金」を受給する為には、国民年金や厚生年金の加入期間が10年以上必要になります。従って、年金加入期間が10年に満たない場合は「老齢年金」を受給できなくなります。

障害年金や遺族年金を受給できない可能性がある

「障害年金と遺族年金」の箇所でも説明しましたが、保険料の免除や納付猶予を受けている間は、障害年金と遺族年金を受給することができますが、保険料を未納のままにして以下のような状態になった場合には、障害年金と遺族年金を受給することができません。※引用元「日本年金機構HP

上記の条件は、少し厳しく感じますが。。。国民年金は、老後の為だけではなく、もしもの時の為でもあるのですね。保険料を未納のままにしておくと、将来、非常に困ったことになりかねませんね(*_*)

では、困ったことにならない為に、未納分を後から支払うことができる「後納制度」について次に説明します!

※関連記事「退職後の国民年金&国民健康保険の手続きに必要な書類は?手続きを忘れると負担がまとめてやって来る?!

後納制度

国民年金保険料は、納付期限から2年以内であれば遡って納付することができます。納付期限から2年を過ぎると、時効により納めることができなくなりますが、平成27年10月から平成30年9月までは、後納制度を利用して「過去5年分」まで納めることができます。

保険料が未納の場合は、是非「後納制度」を利用しましょう!

尚、保険料の未納期間が2年以内の場合で、保険料を支払うのが経済的に厳しい場合は、条件を満たせば、「免除・納付猶予」の申請も可能です。

※後納制度についての詳細はこちらの記事を参考にして下さい。 ⇒「国民年金の未納分の確認と支払い方法とは?納付期間が延長される「後納制度」について解説!

今回のポイント

  • 免除割合は、前年所得に応じて、4段階(全額、3/4、半分、1/4)に分かれている。
    • 所得が低い人は「本人+配偶者+世帯主」の前年所得が対象
    • 失業中の人は「配偶者+世帯主」の前年所得が対象
  • 納付猶予の条件は、20~50歳未満の人で、前年所得が一定額以下の場合
    • 所得が低い人は「本人+配偶者」の前年所得が対象
    • 失業中の人は「配偶者+世帯主」の前年所得が対象
  • 免除・納付猶予の4つのメリット
    • 免除・納付猶予の期間は、年金加入期間として算入される
    • 全額免除の場合、将来の年金額は、保険料を全額納付した場合の半分が支給される
    • 免除・納付猶予を受けた期間の保険料は、10年分を上限に追納することが可能
    • 不慮の事態が生じた場合は、障害年金や遺族年金を受け取ることができる。
  • 免除・納付猶予の申請は、役場または年金事務所へ必要書類を提出する必要がある。
    • 申請の期限は、保険料の納付期限から2年以内
  • 保険料が未納の場合は、「後納制度」または「免除・納付猶予」の申請をしよう!

国民年金の保険料を支払うのが厳しい場合、免除・納付猶予の条件を満たせば、是非申請してみて下さい。将来貰える年金額を減らしたくない場合は、10年以内でしたら保険料の追納ができますし、未納の場合と比べて、メリットが非常に多いです。

また、未納の場合でも、後納制度を利用する等して、できる限り保険料を支払うようにしましょう!

※【補足情報】
所得が低い人や失業者以外にも、以下に該当する人は、保険料の免除・納付猶予を受けられますので、参考にしてみて下さい。※引用元「日本年金機構HP」

  • 生活保護を受けてる人、障害基礎年金及び被用者年金の障害年金を受けている人が対象の「法定免除
  • 学生が対象の「学生納付特例制度
  • 災害等にあわれた人が対象の「特例免除
  • 配偶者から暴力を受けた人が対象の「特例免除
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